2010年7月27日火曜日

ガキみてぇⅡ  by TFK

先月更新回数が結構良かったと思ったら、またまた1ヶ月近く空いてしまひました。従いまして、読んで下さっている奇特な方々には題名の「Ⅱ」で薄々バレちゃってますでしょうか、使い回し系の記事です。思い入れのあるテーマなんで、ルゥールゥールゥ~、長ぁ~くなる予感がします(by 火星人@プリンプリン物語)ので最初に謝っときます。スマソ。

  前回の「ガキ」話はコチラ↓。
  http://collablo.blogspot.com/2009/06/by-tfk.html

  実際には読まないと判りませんが、自己申告でバラしちゃいますね。
  「題名がカブってるだけで、関係ねぇぢゃねぇか!」って方にはコチラ↓。
  http://collablo.blogspot.com/2008/04/by-tfk.html
  一応どれともカブらない系。

今回の「ガキ」話は前回のとは直接関係ありません。いや、前回のも主題は「ガキ」の話ではないんですけどね。


TFKは現在(メタボでスケベで嫁はんが恐い)立派なオッサンですが、内面が「ガキ」なので、昔から/今でも少年ジャンプが得意とする、アツい、いや熱い、いやいや暑ぅ~い感じの漫画や話がとっても好きです。中でも、ある目的の為に「得意技を持つメンバーが集合する」系がとても好きです。このテーマは古くからあって、力を合わせて巨大な敵を倒す、メンバーの自己犠牲の末に代表者が目的を果たす、悪いヤツらの横暴に耐えた末に起ち上がって反撃する、と云ったカタルシスを感じさせるエピソードとセットにすると、ヒットは鉄板だった様です。例えば、

①三銃士とか、
ダルタニャンが3人と仲間になり(この場合「段々」集まるんぢゃ無いけど)、一人づつ身を犠牲にして先へ進んで行きますね。

②本邦では、ご存知、桃太郎ですか、
童話の中ではそれ程詳しくはないですが、家来三匹、特性を生かして対鬼戦に貢献します。設定古い割には飛べるヤツいますからね。

③古典だと、三国志(演義の方)とか、
劉備(蜀の照烈帝ですな)の下に、義兄弟の関羽・張飛から始まって、毀誉褒貶ありつつも異様に強い家来やら天才軍師やらが集まって来ます。一様に人間離れした強さなので一見すると特殊能力/得意技の要素は薄いんですが、使う武器のバリエーションが多くて代わりになっています。何しろ人間離れしてるんで戦いも暫くは連勝です。悪役の曹操(≒魏≒国力としては圧倒的)の存在が、カタルシス要素を出す配役の要ですかね。

④これも大好き、水滸伝
人格者(それ以外は何も無い)宋江の下に、偶然・必然取り混ぜてヤクザ者の仲間が加わって来ます。このヤクザ者達は日本に居る同名のゴミ屑野郎共とは違い、社会・体制の方が悪くって、結果として居場所が無くなっているだけで実は善いヤツ(=好漢ですな)と云う描かれ方です。自己決定/その正当性へのこだわりがとっても中国的。
「段々増える」「各人の得意技」「巨悪に立ち向かう」「最後の戦いでどんどん死んじゃう」と、グッと来る為の必須要素が満載です。コチラも全員揃った後暫くは連戦連勝ですね。

話は逸れますが、メンバー108人、ん~、メンバーって書くと、水滸伝だから「SKD108」って感じがしちゃうな、人気投票とかしてセンターで歌うのが・・・・


   違うか。


もとい、メンバー108人の中でTFKは特に好きなのが居ます。お話自体が大好きなので全員好きなんですけれども、厳選すると特別カッコ良いのが居てですね、

  ・凌振とか、
二つ名が「轟天雷」そう、剣と槍と拳の世界にあって異彩を放つ、重火器・爆発物の専門家です。
  ・時遷とか、
渾名は「鼓上蚤」、さすがに渾名と能力が直結しないですかね。元コソ泥で忍び込んでの諜報活動のプロな訳です
  ・李袞とか、
主役級で「李逵」って云う破格の暴れ者が居ます。両手に一本づつ斧持って裸で戦うんですが、当然飛び道具には弱い訳で、この李逵の牌手=武器としての盾の使い手なんです。必然的に片手用の投げナイフ(短い投槍)も使いながら、二人組みでエースを守ります。

ですか。皆、一芸がシブい!!!他にも、何でも治す医者とか、メチャクチャ遠いところから当たる弓の名手とか、前職(転職後が山賊だからそう言って良いのかどうか分かりませんが)裁判官だったから仲間内での賞罰担当になっただとか、ユニークさがとっても良いんです。それぞれ見せ場あるし。逆に主役級の「得物は槍でも棒でも、何使ったってとにかく強い」みたいなキャラは、戦闘シーンではあまり魅力的ではないですね。


   話逸れちゃいましたね & 誰も知らんですね。スマソ。


⑤ゴレンジャー
言わずと知れた「五人揃ってゴレンジャー」ですね。遠い昔に読んだ製作ウラ話みたいな記事にも同じ感想が載っていたと思いますが、カッコ良さ重視なら「ファイブレンジャー」だろうと思うんです。語感の方を取ったんでしょうか、記事も「それが却って良かった」だったかな?
初回のエピソードには集まるところが出てきますが、1話中に駆け足で(そりゃそうだ主人公ですから)顔合わせみたいな感じです。キャラは特に立ってましたよね。文字通り「キチンと色分け」されてましたから。得意技要素はそれぞれの武器で代表される感じです。飛行機モデルチェンジする前の第一シリーズだと、武器の名前も定かではないですがね。モモレンジャーの「いいわね、行くわよ」とか。

⑥ガッチャマン(実写だけぢゃなくアニメにも良いの沢山ありますねぇ)
キャラと乗り物(それぞれあるんですが、タツノコプロのメカデザインすげぇカッコ良いです)と武器が全部違っていて、「集まる」要素は薄いですが、「力を合わせて」と「得意技」要素が強いつくりになっています。

書いていて思い出しましたが、昔読んだ吉田戦車先生の漫画で、ガッチャマンのパロディーの話がありました。勿論元ネタの名前はハッキリ書いてないので、何で5人なのにゴワッパーファイブではなく、ゴレンジャーでもなく、ガッチャマンご指名かと云うと、アニメの初回だったでしょうか、コンドルのジョーが大鷲のケン(リーダーで後から合流するんです)に対して「まだお前をリーダーと認めた訳じゃぁないぜ」って言うエピソードがそのまま使ってあるからなんです。それで、パロディー版の5人の呼び名が、そのまま

  「リーダー」
  「ニヒルなヤツ」
  「力持ち」
  「子供」
  「紅一点」

でした。笑いましたねぇ。パロディーとしてキャラの本質を喝破しています。日本のヒーロー物はこの5人ケースの原型が、時代や大人の都合でチョトずつ変化する訳ですね。「子供」が「弟分」になったり、「紅二点目(可愛い担当)」になったり。あっ「力持ち」が「頭の良いヤツ」になるケースも。子供が大きくなったので低学年向けの作品には疎くなりましたが、近年の傾向で行くと、

  「白い歯」
  「冷静沈着」
  「紅一点(ボーイッシュ)」
  「紅二点目(可愛い)」
  「ハカセ」

って感じ?「紅一点(ボーイッシュ)」「紅二点目(可愛い)」は「ショートカット」「パンチラ」に置き換えても良いかも。チョトエロいか。話戻しましょうね、スマソ。


⑦南総里見八犬伝(作者も認めていますが④水滸伝の翻案です)
馬琴先生、108人は多いと思ったんでしょう、人数が8人に減っていて「集まる」までが主題の話になっています。本家水滸伝もある程度「集まる重視」なんですが、八犬伝は集まってからの付け足し感がスゴい。勿論、付け足し部分だってエピソードは結構面白いんですが、前半の「集合」までがあまりにも面白くて盛り上がるので、ギャップを感じてしまいます。

そう、コレが本題なんです。文庫本で全10巻(27~28センチ級)最近読み終わりましてね。出版当時と同じく、殆どの漢字にルビが振ってあって、たまに出て来る漢詩の部分も、白文ではなく返り点と送り仮名が付いてますから、結構サクサクと読めました。「集まる」系好きのガキには優れた配慮と言えましょう。現代日本のTV・玩具複合体(一応子供向けなんで「複合体」は言い過ぎですか、軍産みたいに)ほどあざといキャラ付けはしてないんですが、話の端々で、或いは会議している場面なんかでキャラが現れています。あの、とっても有名な話なんで設定とかちゃんと書きませんからね、マニアの方々(絶ぇ~っ対沢山いると思う)炎上させないで。例えばですね、

・キャラのシンボルが「忠」の犬山道節ってメンバーは、一言で言うと「武士」なんです。主人の仇はいつまで経っても仇だし、規律違反はスグ斬ろうとするし、んで得意技は火遁の術(自分で封印しちゃいますけど)。

・キャラのシンボルが「智」の犬阪毛野ってメンバーは、一言で言うと「アタマ良い」系、「勉強出来る」んではなく(勉強出来る系もちゃんといるの)。壮大な仕掛けも作戦も自分だけが全部分かってて、全てを明かさずに飄々と仕切り、かつ「ヤベッ」て時にちゃんと手を打っています。

・キャラのシンボルが「悌」の犬田小文吾ってメンバーは、一言で言うと「良いヒト」で、家族や小さい子、可哀相な境遇の人に優しい。見た目からして大男で尋常ではない力持ちです。可哀相を装った悪者に騙されたりします。


何か「メンバー」って言うと、新聞(マスコミ全部そうなのかな?)で「議員」やら「選手」やら、果ては「容疑者」まで使って、それでも個人名に肩書きっぽいのを付ける事が難しかった、某グループのゴロちゃんみたいですな。

  またまた逸れちゃいました。スマソ。
  スマまで打って危うくPに指が行きそうになっちゃいました。


理由に言及したのは今回初めてかも知れませんが、何度か書いている通り、八犬伝好きなんです。某国営放送の人形劇も見てましたねぇ。元祖顔出し黒子の坂本九ちゃん、MCが絶妙だったですなぁ。辻村ジュサブロー先生の人形も大好きでした。玉梓(原作では処刑される時に呪いを掛ける悪女、TVでは実際に怨霊になって出てきます)メチャメチャ怖かったし。
人形劇は、この程読了した本編と同じ位(チョト超えるかな)好きです。水滸伝から数えると翻案の翻案ですが一番好き。

  これも度々書いてますが↓、元々オリジナルよりコピーの方が良いって事もあるよねぇ。
  http://collablo.blogspot.com/2008/06/blog-post.html

八犬伝は、薬師丸ひろ子/真田弘之で角川映画も作られましたが、これは鎌田敏夫先生の「新里見八犬伝」の映画化で。これなんか翻案の翻案の翻案の翻案(1コ多いか?いやそうか)です。映画としては???なところもあったんですが、名匠深作だし、どんなにヘボくてもところどころ良い。鎌田先生のが元々すっごくカッコ良いんです、伝奇モノテイストが強くなっていて。映画版では、人形劇で激怖だった玉梓役が大好きな夏木マリさんだったんで、これまた喜んで見に行きました。エロかったよぉ。


分量のある仕事(単に読書ですがね)を終わった後の高揚感で、異常に長くなっちゃいました。エラそうで申し訳ないですが、人形劇の脚本を書かれていた石山透先生、グッジョブ!!!