2008年12月10日水曜日

説明力 by TFK

お久しぶりの月イチ更新です。

法律用語って判り難いですよね。だから、弁護士の資格を持ち、裁判と言う閉じられた世界でのみ通じる魔法の言葉を使い、閉じられた世界の外の住人が必要とする行動・発言を代行する人、彼らの仕事は特殊技能と言えます。それで「代行」業務に対して報酬を得る事が出来ます。裁判だと「閉じられ」ている度合いが大きいですが、契約になると性質は同じでチョト垣根が低いですね。


帳簿(会計)と言う、これまた非常に閉じられた世界の言葉と約束事を振りかざし、理解不可能だがその世界に関わる仕事をしなければならない人々の行動を「代行」する人は「会計士」って事になっていて、やっぱり金を取りますね。
話が税金/税理士になると、あえて外の人には解らない様な魔法の言葉や約束事を設け、その結果として「代行」する事をビジネス化している様にさえ見えます。

会社で「経理部」「財務部」って名前の部署の方は、資格こそ必須でないものの、「代行」が確立した仕事として認定されています。特別に(給料以外の)報酬を得る事はありませんが、業務遂行上、魔法の言葉(+その裏にある法律の縛り)を使って、スケジュール他の事情を他の部門に対して押し通す傾向にありますね。

書いていて、伊丹十三監督「ミンボーの女」の中で、ミンボー=民事介入暴力=近代ヤクザの収入源として払った「目こぼし料」を、舞台であるホテルの経理課の担当者が「こんなの落ちる訳ないでしょ!」と突っぱねるシーンを思い出しました。伝票持ってきたフロント責任者がブチ切れて、「じゃあお前がヤクザ対応やれ!!!」って、本当に担当にされちゃうの。


コンピューターの分野でも魔法の言葉は横行しています。今では普通に使っていますが、会社入った頃は、
 「データとファイルって違うんですか?」とか、
 「じゃあ、プログラムとファイルってのは違うんですか?」とか、
 「フィールドってレイアウトの事ですよね?あっ、ディスクなのか!」とか、
連発してました。

このレベルだと「え~っ、解らんのはお前だけぢゃ!」と言われそうですが、中学から高校に上がった最初の数学の教科書を眺めてみた時の事を思い出して下さいよ。
 対数のところで出て来る「log」とか、
 積分で出て来る「∫」とか、
 数列で出て来る「∑」とか。
意味どころか読めもしない。あっ、数列は大学からしか登場しないのか?ゆとり世代以降の方スマソ。こんなところからも年がバレてしまいますが、かまわないので書きますけど(んっ?どこかで聞いた様な・・・)。


コンピューター分野って、解らんながらも(壊してしまわないかドキドキしながらも)PCは使えているので、しかも何となく支障なく役に立っている様に見えるのでまだ近付ける気がします。気がしてるだけかも。でも純粋な技術分野だとどうなんでしょう?「そこの制御は○○チップで××判定していて、結果としては△△反応でなければならないから・・・・」って、判る!?

あっ、医者ってのもそうだ!考え始めるとキリが無いですね。ソムリエのウンチク(ゴタクか?)とか、マーケティング会社の人の報告書とか。でもTFKは何故か、電器屋さんのフロアに立っていて「機能や価格やサービス内容からメンテナンス性まで比較しながら説明してくれる人」に対して同じ様な思いをした事は無いです。彼らは解る様に説明する事自体が仕事(販売・営業)だからですね。


「分業」そのものが悪い訳ぢゃないし、何事も万人に理解出来なくてはならんと主張する気はありません。だけど、税金とかコンピューターの辺りって、何か解りにくいコトになっちゃった理由がスゴく怪しい。代替可能な人を制限すれば「金になる」仕事を仲間内で占める事が出来るってな風に、邪悪な意図を感じてしまうのはTFKだけですかね。


コンピューターに関わる仕事になって説明側に廻った結果、自分が感じていたイライラを相手に感じさせない様に、と頑張って来たつもりですが、中々上手く行かんですな。メンタルヘルスケアが必要な時かも。

(事実関係は無視した上で)俺、グッジョブ!